「民自公の三党合意」は、認めてはならない(下)

 「社会保障と税の一体改革」という発想は正しい。日本の将来社会像を示すことなく、中途半端に増税を進めても、財政再建も日本社会の再建も難しい。しかし、今の「3党合意」は、社会保障の将来像を全く示せないままの増税であり、「一体改革」の名に値するものではない。増税を決めるには、①財政再建のスケジュール、②成長戦略、③行革、④社会保障の将来像、⑤減災などの国土の将来像、などを「一体」で国民に示す必要があるのに、今回の「3党合意」は、①を中途半端に示したにすぎない。

 小沢一郎氏の「10兆円を超える負担を国民にお願いする」という発想は正しい。そのためには、単に消費税10%の是非だけでなく、日本社会の持続可能性を示す改革案を国民にしっかり示して、そこで是非を問うべきである。A党は、2020年に消費税25%。子育てや社会保障充実、とか、B党は、2020年に消費税20%。減災の国土作り(国土強靱化)といったマニフェストを掲げての総選挙がなんとしても必要である。

 こういった手続きなしに、何が何でも消費税10%を実現しようとする「3党合意」に異を唱えるという一点だけで、小沢一郎氏の抵抗は評価できる。この重要な日本の将来を左右する問題で、【国民に信を問うこともなく、社会保障の将来像を示すこともなく】、消費税10%を決めようとする民主党、自民党には、次の総選挙でお灸をすえなければならない。そのためには、300の全小選挙区に、非民主、非自民の第三の候補者が出て、国民の選択肢を用意してもらいたい。民主、自民の2候補しかいない小選挙区では、解散・総選挙の意味はないのである。(了)