まだ我田引鉄?大丈夫か?中央リニア新幹線

 JRは民営化の成功例。かつて年2兆円以上の赤字を出していた国鉄が、今や優良企業に。しかし、先行き不安な例が。
 JR東海の中央新幹線(リニア新幹線)の自前建設。12月25日に、2025年を目途に、5兆円の費用を自己負担して、首都圏と中京圏をつなぐリニア新幹線を建設することを取締役会で決定したというニュース。
 東海道新幹線のバイパスとなる中央新幹線。東京・名古屋間は、2本の新幹線が走ることになる。JR東海では、この2本で、今後2から4割の乗客増を見込んでいる。しかし、この人口減少時代に、これだけの乗客増は本当に現実性がある見込みなのか?とくに、東京、名古屋間には飛行機便がなく、飛行機の乗客の移動は見込めない。東京大阪以降の飛行機客の移動を見込んでいるようだが、東京名古屋をリニアで、その先を今の新幹線に乗り換えるという「面倒」をしてでも、飛行機から新幹線に移行する客がどのくらいいるのか?
 そもそも、JR東海は新幹線品川駅を作り、品川始発の新幹線を置くことで輸送力増強を狙っていた。しかし、乗客は伸びずに、品川発着の新幹線は、大阪着時間を早くするための早朝ののぞみだけ。
 
 かつて、我田引水の「水」を「鉄道」に読み替えて、我田引鉄、という言葉がよく用いられた。その再来のようで、5兆円という、とてつもない金額をつぎ込むことにしたJR東海の今後の経営が心配だ。
(今後想定される東南海地震で、東海道新幹線がダメージを受けたときの代替輸送機能として、中央新幹線が期待されていることは承知している。しかし、JR東海は民間企業なので、5兆円の投資に見合う収益があるかどうかが第一。もし、地震時の代替機能を主として中央新幹線が建設されるなら、その建設費の相当部分は公的に負担すべきだろう。)