ネット選挙について④(未完)

さて、ネット選挙(運動)解禁のメリット、デメリットについて、である。そもそも、ネット選挙が禁止された根拠の、公職選挙法第142条(葉書、ビラの制限)は、資金の豊富な候補者が大量の葉書、ビラを配布することを制限することが主たる目的であった。ほとんど経費がかからない、HP更新やブログなどへの書き込みを、「葉書、ビラ」と同様の扱いにすること自体が、本来の立法趣旨と反する可能性が高いものであった。

解禁が当然である。選挙期間中に、葉書、ビラ以外に、候補者が多くの情報をネットを通じて有権者に発信することは、有権者の投票の判断に大きなプラスの影響がある。HPなどに、候補者がどこで立会演説を行い、どこの駅頭でビラを配っているのかが掲載されるだけでも、有権者には解禁前には得ることができない情報である。

さらに、Twitterなどに、自らの政策を書き込んだり、他の政党の政策批判を書き込んだりすることで、より選挙運動の質が上がることも期待される。こういったネット選挙解禁の効果を、パソコンや携帯の画面に表示される情報も、「文書図画」にあたるとして、ネット選挙を禁止してきた総務省の判断には、今も首を傾げざるを得ない。

一方、ネット上のなりすましや、誹謗や偽の情報が流れるなどのデメリットも、ネット選挙解禁で懸念されるところではある。先日、橋下氏のTwitterアカウントが乗っ取られ、偽の情報が流され、橋下氏自身が「不明なツイートが発せられたようです。僕からではありません」と書き込む事態が発生した。こういった事態が、選挙期間内に起きることをできる限り避ける必要がある。

ただ、現在、橋下氏、猪瀬氏、片山さつき氏ら多くの政治家がネットを活用しているが、大きな問題は発生していない。さらに、選挙期間内は、こういった行為に「公民権停止」といったより厳しい処罰がかせられることになる。

おそらくは、ネット選挙解禁後に、選挙期間内にいくつかのトラブルは発生するだろうが、候補者の側の監視や、警察の取締などで対応は可能なはずであるし、さらに、深刻なトラブルについては、公職選挙法を再改正するなどで対応すればよい。私は、想定されるデメリットをはるかに超えるメリットがあると考えている。(続く)