公務員改革法は、「改革」の試金石だ

 小泉政権から、安倍、福田と、「改革」の姿勢が大きく後退しつつあるのは誰の目にも明らかだ。福田内閣でも、与野党対立の中で、仕方なく追い込まれて決めた「道路財源の一般化」を除けば、ほとんど唯一の「改革」法案が「公務員改革法」であった。
 今の政府や政権中枢の中で、ほんとうに数少なくなってしまった「改革」派は、渡辺喜美行革担当相や、中川秀直前幹事長らが必死の思いで閣議決定までこぎつけたのが、この公務員改革法。キャリア制度の廃止や、内閣人事庁の設置、政治家との接触制限を柱としている。
 キャリア制度とは、大卒で公務員試験を受ける段階で、「(一般企業で言えば)重役以上に必ずなれる」一種(キャリア)と、「重役にはなれない」二種(ノンキャリア)と分けて受験、採用するものである。新入社員が、重役コースと、非重役コースに分かれており、両者の間には身分差別とも言えるほどの「格差」があり、当然その「格差」は、天下り先を含めて大きな生涯年収の差になって現れる。
 こんなことで、職員のやる気などは生まれるはずがない。さらに、その重役コースのキャリア組は、有力政治家と二人三脚で出世していく。時の有力派閥の政治家と近ければ、事務次官まで上り詰めることができる・・。当然そこには、政治家と官僚の癒着が生じ、政策がゆがめられることになる。
 こういった、制度疲労を起こした公務員制度にメスを入れる「公務員改革法」。閣議決定自体がイヤイヤであった・・。政府提出の重要法案なのに、審議入りが遅れ店ざらしに。常識的には成立が難しい段階で審議入り。民主党が、この法案にだけは修正・成立に協力するのでは?という一縷の望みもほぼたたれたようだ。
 この法案が、成立しないまま国会閉幕(6月15日)を迎えれば、福田内閣の改革姿勢はまったくの偽物だったことが証明されよう。この改革を遅らせようとしているのが、キャリア官僚とそれに結びついた政治家であることを忘れてはならない。