小泉元総理の脱原発発言から考える②

 その17,000トンのゴミは、各原発サイトに14,000トン、六ヶ所村のまだ稼働していない再処理工場に3,000トンある。この原子力発電所で出たゴミである使用済み核燃料は、日本では「核燃料サイクル」として、再処理、再利用する方法を決めてきた。一方、アメリカなどでは、「ワンススルー」として、処理せずにそのまま最終処分する方法がとられてきた。日本でのそのサイクル工場が「六ヶ所村再処理工場」である。この再処理工場が稼働すれば、原発のゴミは再処理、再利用されていくのであるが、そのつなぎとして、「中間貯蔵」が必要となる。すでに六ヶ所村再処理工場に運び込まれた3,000トンも広義の中間貯蔵である。また東京電力と日本原子力発電は、5,000トンの中間貯蔵施設を、青森県むつ市に建設しその一部(3,000トン分)が2013年8月、完成している。
 量的にみれば表面的には、日本の各原発に20,000トン、むつ市の中間貯蔵施設に5,000トン、六ヶ所村再処理工場に3,000トンと合計28,000トンのゴミの貯蔵は可能な状態にある。現在のゴミの量、17,000トンと比べて、十分余裕がある状態である。しかし、青森県は中間貯蔵については、再処理を前提とした中間貯蔵としており、再処理が行われなければその中間貯蔵自体を認めない方針でいる。青森県は六ケ所村の再処理工場内に貯蔵されている使用済み核燃料3000トンについて、事業者である日本原燃と「再処理事業実施が困難となった場合には、施設外へ搬出する」との覚書を交わしている。また、この夏に完成したむつ市の中間貯蔵施設についても「再処理するまでの一時貯蔵」を前提とした協定を締結している。もし再処理が行われなければ、中間貯蔵が「ワンススルー」の最終処分場となってしまうからである。
 つまり六ヶ所村の再処理工場が稼働しないと言うことになると、日本の使用済み核燃料の貯蔵は一気に危機的な状況とってしまうのである。むつ市の5,000トンは受け入れ不能となり、すでに貯蔵されている六ヶ所村の3,000トンは返却ということになる。しかし六ヶ所村の貯蔵分は、原発サイトでの貯蔵プールが満杯に近いところから受け入れを始めており、返却しようにもすでにスペースが満杯に近く、事実上返却は困難という状況なのである。原発を再稼働するかしないかとは別に、この深刻な使用済み核燃料問題が私たちの前に立ちはだかっているのである(続く)。