小泉元総理の脱原発発言から考える③

六ヶ所村の再処理工場を稼働すれば、中間貯蔵の問題は解消する。最大で年800トンの使用済み核燃料が処理されることになる。しかし、そこに大きな問題が二つ控えている。使用済み核燃料を再処理すると言うことは、その燃料を、96%の低レベル廃棄物、3%の高レベル廃棄物、1%のプルトニウムに分別するということである。第一の問題は、3%の高濃度の放射性廃棄物である。この廃棄物は、高い放射線を出し続けるため、ガラス固化して直径数十センチ、高さ1メートルほどの円筒形のキャニスターと呼ばれる容器に詰められて、数百メートル地下で数千年に及ぶ「地層処分」が必要となる。ちなみに、日本にすでにある使用済み核燃料をすべて処理すると、このキャニスターが23,000本出てくることになる。しかし、それを処分する場所がどうしても決まらないでいる。

第二の問題は、1%のプルトニウムである。プルトニウムは原爆の原料となりうるため、日本では2003年8月、原子力委員会が「利用目的のないプルトニウム、すなわち余剰のプルトニウムを持たない」という原則を示している。17,000トンの使用済み核燃料の中に、その1%に相当する170トンものプルトニウムが存在している。再処理の結果、これだけのプルトニウムが出てくるのである。日本の核燃料サイクル政策では、このプルトニウムをMOX燃料として使用することで消費して、「余剰プルトニウムを持たない」という方針と合致させることになっている。

再処理工場を稼働させると、原発を再稼働させてプルトニウムを消費しなければならず、同時に、高レベル廃棄物の地層処分の場所を決めなければならない。一方、再処理工場の稼働を断念すると、すでに六ヶ所村再処理工場に搬入されている3,000トンをはじめとする17,000トンもの使用済み核燃料を、ワンススルーとして最終処分する場所をすぐにでも決めなければならなくなる。

今の日本では今後の日本の原発をどうするか、と同時に過去の使用済み核燃料をどうするか、が問われるのである。小泉元総理の問題提起は、こういった「トイレのないマンションのまま」半世紀近くも原発を続けてきたツケをどう解決するのかという問題も同時に提起されるべきものなのである。