小泉元総理の脱原発発言から考える①

小泉純一郎元総理が、即時脱原発を強く主張している。政策作りの卓抜したカンを持つ元総理の発言は、そのカンが皆無に近い鳩山由起夫、菅直人元総理らの脱原発の発言とは、重みがまったく違う。その小泉元総理は脱原発の一つの根拠に、原発のゴミ(使用済み核燃料)の処理ができないことをあげている。原発再稼働の是非は、安全性や、電気の安定供給、電気料金などの視点から論じられることが多いが、ここでは小泉元総理の、原発のゴミ処理問題から考えていきたい。
日本の原発は、使用済み核燃料の処理・処分ができずに発電を続けてきて「トイレのないマンション」と揶揄されてきた。その処理は、核燃料サイクルとして、使用済み核燃料を再処理して、再利用するという方針をとってきた。しかしそこには、二つの大問題があった。一つは再処理を行う六ヶ所村の再処理工場の運用開始が、建設中のトラブル続きで大きく遅れたことである。現段階でも運用開始されていない。もう一つはそこから出てくる高濃度の放射性廃棄物の処分場の建設場所が決まっていないことである。
原発で出てくるゴミの処理すら出来ないのに、事故を起こしたら大変なことになる原発を稼働させていいのか、が小泉元総理の主張である。日本の使用済み核燃料の一部はフランス、イギリスで処理されてきたが、国内に未処理の使用済み核燃料はたまり続け、すでに17,000トンになっている。その、過去の負の遺産である大量のゴミをどう処理をどうするかを明らかにしないかぎり、「ゴミの処理ができないから」原発を止めろ、といっても残念ながら説得力に欠ける。これから出るゴミを止めるという問題と、すでに出てしまっている過去のゴミをどうするか、は、やはり同時に考えていかなければならない(続く)。