日銀総裁、財務省のごり押し・・・・

 「日銀総裁に武藤氏がふさわしいかどうかの、もうひとつの論点は、日本の行政における財務省をどう見るかにある。
 財務省が、官庁の中の最強の存在として、行政改革などに抵抗を続ける拠点と捉えるのであれば、財務省出身の日銀総裁は避けるべき、ということになる。」
 私は、当コラムでこう書いた。政府・与党が、日銀総裁の最終候補として田波氏出してきたのは、驚きであった。民主党が財金分離にこだわり、財務省出身者の総裁就任に強い抵抗を示していたのに、あえて、旧大蔵省の事務次官を務め、国際協力銀行総裁に天下りしている田波氏を出してきた。
 もうこうなると、政府・自民党の政治的な判断を越えて、ともかく財務省の推薦する人を日銀総裁候補に出さざるをえなかったと見るしかない。「官庁の中での最強の存在」である財務省のいいなりになったのだろう。
 皮肉なことに、財務省は、政府・自民党に対する力を誇示したものの、次官経験者二人をさらし者にする、という蹉跌を踏んでしまった。
 財務省の奢りを見事に粉砕した民主党に、今回は喝采である。財務省は自らの力を過信し、「半政権交代」という現状を見誤ったのだろう。
 しかし、そのツケは、日銀総裁不在という形で国民が負うことになった。こうなると、与野党がしっかり議論をして、財務省の干渉をはねつけ、皆が納得する新総裁候補を一日も早く見つけ出すことだ。