景気対策は「麻薬」だ

 15.4兆円という史上最大規模の景気対策が決まった。おそらく、これを盛り込んだ補正予算には民主党も抵抗できずに、成立する可能性が高い。
 100年に一度の恐慌には、史上最大の財政出動。そこに二つ、考えるべきことがある。一つは日本が、主要国最悪の赤字を抱えた国だということ。アメリカの財政赤字率、70%に対して、日本は180%(対GDP)。アメリカが日本並みの赤字率になるには、アメリカのGDP1年分、つまり14兆ドル=1400兆円以上使えることになる。日本はすでに限界以上の借金を積み重ねてきてしまっているということだ。
 もう一つは、財政出動の景気対策は、麻薬だということ。一度使うと、経済が回復しない限り、継続せざるをえないのである。今年、GDPの3%にあたる15兆円を使う。来年は、これを使わないと、マイナス3%からのスタートとなる、ということである。わかりやすい例は、前回の景気対策の目玉の「定額給付金」。これを5万円受け取った家族は、来年、景気回復で所得が増えない限り、5万円の減収になってしまう。
 この15兆円は、どうも今年限りの効果のものが大半で、これからの成長につながるものは少ないと思えてならない。省エネ家電への5%の補助も、その補助がなくなったとたんに、価格が5%跳ね上がることになる。そこに消費税がアップされれrば、10%にも・・・。消費は再び冷え込んでしまうだろう。
 15.4兆円。規模だけが先行して、将来の成長につなげる、という視点が欠けていた、といわざるをえない。