森本毅郎スタンバイ:貸し渋りの原因,自己資本比率ってなんだ?

銀行の一般企業への貸し渋りが問題となっている。それが原因での倒産も続いている。その貸し渋りの第一の原因が,来年4月からの銀行の自己資本比率の引き上げ(「早期是正措置」)である。

自己資本比率とは,分母の総資産=貸出総額など,分子に資本金,株式の含み益などが入る。

これを8%以上に維持するというのが,国際的な基準になっている。この比率を上げるためには,分母を小さくして,分子を大きくすればいい。

現在,分子の株式の含み益は,株価の減少でどんどん小さくなっている。これに応じて,資本金を増やせばいいのだが,とてもいまの株式市場は銀行の増資を受け入れる余地はない。となると,分母を小さくする,つまり貸し出しを圧縮するしか,自己資本比率を維持する術はないのだ。

そのため,政府は銀行の貸し渋りを防ぐために,早期是正措置の緩和などを発表した。

銀行経営を国際基準に近づけようという早期是正措置を緩和することは,金融のビッグバンに逆行するものだが,この日本経済沈没の危機には,仕方ない。