民主党のエネルギー政策を批判する(2)

【太陽光発電は、ソーラークッカーだ】
ソーラークッカーという数万円の調理器具が、震災後、人気を集めている。パラボラアンテナのように、アルミ板をまるめて、その中心にやかんを置くと水が沸騰する、というものである。真夏の好天時だと、1リットルの水が、30分で沸騰するという(パラボラの直径80センチ)。
見事な自然エネルギーの活用であるが、これを購入して、自宅のガス調理器を廃棄する人はいない。曇天では何時間たってもお湯は沸かないし、そもそも夜間は使えない。
実は太陽光発電は、このソーラークッカーとまったく同じである。基本的な電源の代替にはならない、お天気任せの電源なのである。風力発電も同様である。あたかも、太陽光発電が原発の代替になるがごとくの議論が横行しているが、120%誤りである。

【太陽光発電の設備容量を、原発と比較するな】
もう一つ私が許せないのが、「100万キロワットの太陽光発電で、原発一基分」という、これまたよく目にする議論である。数値を注目してみると、比較しているのは設備容量(発電能力)である。しかし、実際の年間発電量は、定期点検以外はフル稼働可能で、発電効率が6割から8割の原発に対して、お天気任せの太陽光は1割ちょっと。100万キロワットの太陽光発電は、原発1基分ではなくて、原発6分の1基分なのである。
問題は、実際の発電量なのに、設備容量(発電能力)で比較するインチキを、私の周辺の専門家までもが公言している。ひどい話である。

【北海道に太陽光発電所を作るな】
さらに私を呆然とさせるのが、北海道での太陽光発電所の建設である。寒冷地北海道では、この冬の計画停電の可能性がささやかれているように、電力需要のピークは冬に来る。夏は電気が余っているのである。その夏に最大の発電能力を発揮する(正確には、7,8月ではなくて5月である)太陽光発電を北海道に設置しても、その能力は発揮できない。安い火力をあえて止めて、高い太陽光発電を利用することになる。
また、夏に電力需要が高まる本州へ電気を運べば良いのであるが、北海道と本州間の連携線は、60万キロワット分しかなく、夏はすでに北海道から本州へ運ぶために満杯である。太陽光発電所を建設しても、その分を北海道内でも、本州でも有効には活用できないのである。
にもかかわらず、北海道に太陽光発電所を誇らしげに建設する企業がある。もっとも発電効率が上がる5月から夏にかけて、北海道でその電気は有効に使えず、本州にも運べない。しかし、そこで発電した高価な電気は全量、買い取られ、その企業だけが儲かり、負担はすべて電気の需要家、つまり我々が負担することになる。

こんな非常識な議論や、経済合理性を度外視した投資が行われている、「再生エネ法」を成立させた民主党政権の責任は重い。