男女共学100周年事業

ご挨拶

 吉野作造が民本主義を唱えた1916年は、東洋大学が初めて女子学生を受け入れた年である。この年まで、本学をはじめすべての日本の私立大学が男子大学だったことに思いを馳せたい。東京女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)や日本女子大学など女子大学の存在は知られているが、当時の日本の私立大学がすべて男子大学であったことはあまり知られていない。
 そういう時代に、本学がはじめて女子学生を 受け入れたのである。男子大学であった東洋大学に入学を希望してきた栗山津禰氏の勇気に敬服するとともに、その願いを受け入れた、本学の英断にも敬意を評したい。
 そして2016年、本学が日本の私立大学で初めて女子学生を受け入れてから、100周年を迎えた。その歴史の中で、主要大学では初の女性学長を輩出し、現在、11学部中3学部で女性学部長を擁し、さらに高い女子学生比率を誇るという実績を積み重ねてきた。
 100年前、社会における大きな問題の一つとされていたのは、男女の性差にもとづく差別や格差であった。現代においては、これに加えて、国籍、年齢、障害の有無などの差別、格差も解決すべき課題とされている。ダイバーシティ(多様性)の尊重が求められているのである。
 100年間、女子学生の受け入れをきっかけに男女共同参画の先頭を走ってきた東洋大学が、ダイバーシティを重んじ、志向する大学として、新たな一歩を切ることになる。これは、日本、ひいては世界のダイバーシティを実現していくための、大学としての使命であると考える。

東洋大学 副学長
男女共学100周年記念事業実行委員長
松原聡