第九

 私がもっとも好きなシンフォニーは、ベートーベンの「第九」。ちょっとキザなんだけど、前にドイツで会食していて、皆でこの歌を歌って「全部歌えるじゃないか!」とドイツ人にほめられました・・・。
 NHKのこれまた好きな番組「名曲探偵アマデウス」が、この「第九」を特集。この番組、「左官屋さんじゃなくて大工さん」から「第九」と、ホント、うんざりなところもあるんですが、クラシックの名曲を見事に解剖・解説してくれるんで、必ず見ています。
 第四楽章のシラーの詩の合唱までの部分を、ベートーベンの初期の楽譜に書かれていたという言葉を紹介しながらの解説は圧巻でした。合唱の冒頭に、シラーの詩の前に「こんな旋律じゃない・・」という言葉はいるのに今まで違和感があったのですが、初期構想では、第一楽章から第三楽章の旋律を流しながら、「これじゃない・・・」と歌を入れて否定を繰り返していたんですね。その最後だけが残ったと言うことがよくわかりました。
 また、第九の中での一番好きな、「喜びの歌」と、「口づけの主題」が交差して出てくるところの解説もまた見事でした。 ふたつの旋律が交差するのは、シンフォニーのテクニックとしては当たり前ですが、それを異なる詩で重ねたところがベートーベンのすごいところですね。楽器であれば、単なる音の重なりあいですが、異なる「詩」を重ね合わせて、響き合わせるところは、まさにベートーベンの天才たるゆえんでしょう。
 このビデオは、冒頭のうざい「左官→大工→第九」のところをカットして、永久保存にしました。