衆議院の3分の2はどうしても必要・・・

 衆参のねじれを想定して、憲法60条で、予算については衆参の議決が対立したり、参議院の議決が30日行われない場合「衆議院の議決を国会の議決とする」となっている。つまり、国のもっとも重要な予算については、衆議院の絶対的な優先が明示されている。今年度予算案は、3月28日、衆議院の優越規定で成立した。
 予算については、参議院は抵抗の術がない、ということだ。しかし、ここに大きな抜け穴が・・。政府は今年も!財政法で禁止されている赤字国債を20兆円発行する。当然、予算にはこの20兆円が組み込まれている。
 しかし、赤字国債の発行には、「公債発行特例法案」が成立しなければならず、これには予算にある衆議院の優先は認められていない。この特例法案は、4月に入っても成立しておらず、予算は20兆円の歳入の穴があいたままなのだ。この法案、憲法59条で、衆議院3分の2の再可決があれば法律になる。おそらく5月には成立するだろう。しかし、それは与党が衆議院で3分の2の議席があればからこそのもの。
 要するに、予算自体は、衆議院で3分の2の議席は必要なく成立するが、しかし同時に成立しなければならない赤字国債分については、3分の2がないと決められない・・・。道路特定財源も同じであるが、予算だけ通っても、関連法案が通らない限りはダメ、なのだ。結局、予算を含めて、ねじれ国会を乗り切るには、衆議院の3分の2の議席が必要、ということだ。
 ここに、ここまで政局が混乱しても、与党が解散に踏み切れない理由がある。本当に貴重な衆院の3分の2の議席数なのだ。与党はこれは、小泉元総理が郵政民営化解散で得た物ということを、もう一度思い出す必要があるのではないか。