裁判員制度導入の成果

 これまで、刑事事件では、検察庁が受理した事件のうち、起訴されたものは40%にすぎない。また、起訴されたものは、ほぼ100%が有罪であった。また、量刑は、求刑の80%。
 こんなわかりやすい図式が、我が国の刑事事件、刑事裁判ではまかり通っていた。起訴された段階で、有罪と量刑までが事実上決まっていたといっても過言ではない。
 それが裁判員制度でその図式が壊れてきた。青森地裁で裁かれたレイプ事件、求刑通りの懲役15年という判決が出た。朝日新聞の天声人語(9月6日)が、すかっ、とするような潔い論説を見せている。この判決を「厳罰の側に張りついた市民感覚を支持する」と。
 私も、裁判に市民が参加する裁判員制度は、大きな成果を見せつつあると思っている。市民が、犯罪やその処罰に関わることで、犯罪の抑止効果が出ることも期待したい。
 次は、検察の不起訴率60%という事態の見直しが必要ではないか。ここは、検察審査会の出番である。この40%しか起訴してこなかったという事実は、ほぼ100%の有罪率とうらはらの関係にあるとみるべきだ。
 絶対に有罪に出来るもの以外は起訴しない、という検察の方針・姿勢があることは疑いないだろう。有罪か無罪の判断は、裁判所がなすべきこと。無罪=検察の敗北、ではないはずだ。
 日本の刑事裁判の透明性や民主性をより高めるためには、起訴率の上昇と、無罪率の上昇が必要なのではないか。、