道路特定財源の一般財源化はまやかしだ

 道路財源の一般財源化は、小泉、安倍内閣での大きな政治課題だった。その時の議論を、まずしっかりと思い出すべきだ。小泉さんの発想は、ガソリン税などの道路財源の額が、必要な道路を作る以上にある、というものであった。このままだと、道路財源が自動的に入ってきて、それに応じて道路を作ることになるので、不必要な道路まで建設されてしまう。そこで、真に必要な道路をしっかりと計画で策定し、その建設費を超える道路財源分を、一般財源化しようというものであった。
 このスキームで、国土交通省は今後10年間の「真に必要な道路」を、昨年1年間かけて策定し、なんとその建設費が、65兆円。これは偶然!!!10年間の道路特定財源と一致したのである。つまり、一般財源化する余りはない、という結論であった。ひどい話である。
 さすがに、これでは国民が納得しないということで、政府・与党で、6兆円減額されて59兆円に。今年度予算では、1800億円を一般財源に。しかもその使途は「道路関連」であった。
 14日に衆議院で3分の2以上の多数で再可決された「道路特定法」は、まさにこのスキームだ。しかし、政府は、2009年度からの、道路特定財源の全額の一般財源化を閣議決定した。ここでは、この閣議決定と道路特定法とが矛盾するかどうかは論じない。
 問題は、閣議決定に「必要と判断される道路は着実に整備」の項目が入ったことだ。この「必要な道路」が、ちょうど道路財源分(もちろん、暫定税率を含めた・・)になる可能性が高い。小泉、安倍内閣の一般財源化の議論は、一般財源にした部分を道路以外に使うことを含意していた。しかし、福田内閣での一般財源化は、項目としては一般化するが、使う対象は、道路となる。なんのことはない、項目が変わるだけで、道路建設は変わらないということだ。
 今後、私たちが注目しなければならないのが、政府が作る「5年間の道路計画」である。これがちょうど道路特定財源分に一致すれば、道路特定財源の一般財源化は、たんに税の項目が変わっただけの話に終わってしまう。
 私は、基本的には道路特定財源の一般財源化には賛成である。また、一般財源化によって、全額を道路ではなくて福祉に使え、というつもりもない。重要なのは、一般財源化した上で、国の社会福祉から教育等々の政策と、道路建設と、どちらが必要なのかをしっかり議論した上で、その額を、道路に振り向けるか、それ以外に回すかを決めることだと考えている。
 その議論の前に、5年間にこれだけの道路は必要、と決めてしまって、福祉に回す分はないよ、とされることだけは避けなければならない。