麻生総理の指導力

 日本郵政の西川社長の人事を巡って、麻生大臣の指導力が問われている。しかし、指導力の前に、麻生総理自身の政治姿勢が問われているのではないか?
 自由民主党のここまでの政策は、「郵政民営化の推進」。これを見直すのであれば、全党的な議論が必要であるはずなのに、「自分は郵政民営化に反対だった」といった発言を党の代表である麻生総裁がしてしまう・・。この政治姿勢のぶれが、鳩山氏の一連の行動や発言を許すことになってしまっている。
 もう一つ、私がびっくりしたのが厚生労働省の分割問題。日本の省庁は、2001年1月に大再編を行った。その見直しが必要なことは私も否定しない。しかし、これも「省庁再々編」として、内閣だけでなく、党や国民を巻き込んだ議論が必要である。今の省庁再編を決めた橋本行革では、96年から97年にかけて、橋本総理自身が議長となって1年間で40回以上もの会議を開いて決めたものだ。そのぐらいの時間と労力が必要だ、ということである。
 それを麻生総理はほとんど思いつきのレベルで発言してしまう。頓挫するのは当たり前である。たとえば「厚労省の分割が必要なら、総務省は必要ないのか?」の疑問を投げられたら、それだけで厚労省分割案は飛んでしまうだろう。
 麻生総理のこういった甘い政治姿勢が問題なのであって、指導力の問題は実は二の次なのである。総理の資質として、「指導力」が問われるのはもちろんであるが、それ以前の「政治姿勢」というか「政策力」が問われているのであるから、問題はより深刻である。