所信表明書(マニフェスト)

1.18歳人口減少時代における東洋大学のさらなるプレゼンス向上
 18歳人口が激減するなかで、大学運営を巡る環境が厳しさを増していくことは間違いありません。その中で本学は、社会や経済の大きな変動を受け止め、高等教育へのニーズの変化に柔軟に対応していかなければなりません。今こそ教職員が一体となって、知恵を絞るべき時期であります。
 そのためには、まずは教育の質保証と個性化が急務です。ICTを講義に活用するなどして、魅力あふれる講義づくりに取り組む先生方を、全面的に支援していきます。同時に、大学の社会的役割である研究機能の充実のために、本学の資金を研究環境の整備のために積極的に投入するなどの取り組みも進めます。
 また、大学には社会への貢献という大きな任務があります。井上円了博士が「余資なき者」「優暇なき者」に大学の門戸を開放しようとしたのは、この一つの試みであります。社会貢献や産官学連携を進めて、本学の社会的プレゼンスをさらに高めていきます。

2.教員、職員の負担軽減
 高等教育推進センター長、自己点検・評価活動推進委員会委員長としての職務を通して、文部科学省の進める高等教育政策と現実の大学運営とのはざまで、教職員にかかる負担が増し、教職員が疲弊しつつあると感じるようになりました。
 私が座長となってとりまとめた『学修成果測定指標の策定と質保証に向けて―学生の成長のために教育の質的転換をどう実現するか―』(『学修成果指標検討会議報告書』、2018年12月)において、「教育の『質保証』のためには、教育活動の充実とともに、教員、職員の量の確保も必要であることを指摘しておきたい」と書いたのは、まさにこの問題意識を表したものです。
 また、この間、本学では委員会や会議の数が増加傾向にあったことも間違いありません。委員会、会議を精選し削減すること、さらに会議運営の合理化によって会議時間を短縮することなどからも、教職員の負担軽減は可能だと思います。
 本学の業務の見直し等を通して、教職員が働きやすい環境を積極的に作り上げていきます。

3.グローバル化への対応

 グローバル人材の育成は、人口減少に直面している我が国にとって不可避の課題です。本学はこの課題に対応すべくSGUの採択を受けましたが、これはまさに、明治の時代に3度、延べ2年半の外遊を果たした国際派井上円了博士の精神を受け継ぐものと言えます。この原点に立ち戻りつつ、SGUの今後の継続と推進について、あらためて全学的に共有していきます。

4.2021カリキュラム改訂の確実な実施
 本学は2021年度にカリキュラムの改訂を行います。そのカリキュラムで学び卒業する学生は2028年3月まで続きます。本学10年の計がこの改訂にかかっているといえます。ここまで進めてきたカリキュラム改訂、そのための3つのポリシーの見直し、学生の成長を明確に把握し、教育の質保証・向上につなげる学修成果指標の策定などは、今後の東洋大学にとって屋台骨となるでしょう。各学部学科・専攻、研究科の独自性と個性を活かした、魅力あるカリキュラムと教育の質保証・向上の仕組みづくりを支援したいと思います。

5.ダイバーシティの確保

 本学は、2016年に男女共学100周年を迎え、私はその記念事業の実行委員長を務めました。そこで、記念事業の実施を通して「東洋大学が日本のダイバーシティ実現の推進役」になることを掲げました。本学はSGU採択の結果、様々な国籍の学生が在籍しています。また、障害を持つ学生も多く入学しています。性別、国籍、障害の有無、年齢などのダイバーシティを確保し、また、それを支える環境整備と人的資源の確保、またダイバーシティを活かした魅力ある東洋大学づくりも欠かせません。
 哲学館創設時の、「学生は17、8歳の青年から4、50歳の中年までと幅広く、中には『子持ち』や『孫持ち』の学生もいた」(『井上円了の教育理念』、1987年10月)というダイバーシティを、今に復活させたいと考えています。

6.全キャンパスの連携強化
 私が着任した25年前は、本学は白山、朝霞、川越の3キャンパス体制でしたが、その後、板倉キャンパス、赤羽台キャンパスが新設され、5キャンパス体制となり、このことで本学の総合大学としての魅力、社会からの期待は一層高まりました。
 今後、ライフデザイン学部の赤羽台キャンパスへの移転、改組が予定されており、その作業のスムーズな進行に務めてまいります。さらに、その後の本学全キャンパスの連携強化や総合的な活用について、時代のニーズの変化を見据えて、柔軟に、かつ積極的に対応していきます。

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