NHK、会長・経営委員発言問題を考える①

NHKが揺れている。籾井勝人会長の発言はもとより、経営委員の二人の発言も物議を醸している。こういった言動は、問題であるのは間違いない。NHKの経営委員なり、会長なりに選ばれた段階で、言動には十二分に注意すべきだ。就任会見で政治的中立性などおかまいなしの発言をした籾井会長は、NHKにかかわらず、責任ある立場につく資格があるのかすら疑われても仕方ない。慶応義塾大の岸博幸教授が「『うちは日本政府のご用メディア』と言ったことと同じ」(朝日新聞1月31日朝刊)と喝破したが、私もまったく同意見である。

問題は、そういった会長が選ばれた経緯にある。岸氏のコメントが載った朝日新聞の記事も、そこを問題にしている。2006年に、竹中平蔵・総務相(当時)の私的懇談会「通信・放送に関する懇談会」が作られ、そこでNHKのガバナンス強化のために経営委員会の権限強化の方向が打ち出された。その後、その方向で放送法が改正された。今回の会長人事も原因がそこにあるとの見方もあり、記事では「NHKへのガバナンス強化という名の下、政治が経営に直接介入する余地が生まれてしまった」という「NHK関係者」のコメントを載せている。

実は、岸氏は当時の竹中総務相の秘書官、そして私が、懇談会座長であった。朝日新聞の記事には、①NHK関係者の経営委の放送法改正での経営委の権限強化が「政治が経営に直接介入」をもたらしたとのコメント ⇒②当時の立役者の岸氏の「政府のご用メディア」コメント ⇒③当時のもう一人の立て役者の松原の「あんな会長が選ばれるような制度を作ってしまった反省」コメント、という三段構えの記事にしたかった向きがある。

しかし、私は長い取材にもかかわらず、断固、「反省」せずに、「経営委員が国民を代表する国会の多数で決まるのは当然。それが民主主義だ。会長を選んだ委員に問題があるなら委員を送り込んだ政権に次の選挙で『ノー』というしかない」とコメントし、それが紙面に掲載された。

おそらく、取材意図とは異なるコメントであったが、(会長選びの)「仕組みの改善は難しそうだ」として私のコメントを私の発言の趣旨通りに掲載したのは、さすが朝日新聞である。(私は、ボツだと思っていた) 続く