NHK会長、19年ぶりに外部

 NHK会長に、アサヒビール相談役の福地氏決定。NHK内外から、「ビール経営者に、放送の公共性などわかるか?」といった声が聞こえてきそう・・。しかし、NHKは、公共放送の名の下に不祥事を繰り返してきたわけで、19年続いた内部昇格会長では、改革は無理、という判断を経営委員会がしたのだろう。
 NHKの不祥事問題は、多くの受信料不払いを引き起こすほど、視聴者=国民の怒りを買ったが、私が座長を務めたNHK改革などを議論した「通信放送懇談会」では、組織的な統制(ガバナンス)が効いていないと判断して、NHKの組織の見直しを提言し、いま国会で放送法改正案として審議されている。
 その中で、経営委員会の機能強化が図られることとなっている。NHKには、運営を担う執行部(会長=理事会)と、それを監視する経営委員会があり、両者の関係が不明確であった。本来は、会長の任命権がある経営委員会が最高意志決定機関であるはずなのに、執行部が圧倒的な力を誇ってきて、経営委員会はその執行部の意志の追認役に事実上なってしまっていた。
 そこで、経営委員会の機能強化が必要と判断し、強い経営委員会のためにいまの古森委員長(富士フイルム)が選ばれ、その経営委員会が、会長の外部登用を決めたわけだ。また
その決定も、10vs2と満場一致でなかった。そのことが、「オープンな選考過程」(中村伊知哉氏、朝日新聞コメント)の証拠でもある。
 私自身は、NHKの放送を見ていて、内部には、公共的な放送を行おうという意志も能力も十分ある、と考えている。なかったのは、経営的なガバナンスである。経営委員会と執行部が一体となって、公共性と経営ガバナンスの両立を図ってもらいたいものだ。