NHK受信料は高いか・・・

 11月9日、毎日新聞朝刊の「闘論」に、NHKの受信料問題などについて執筆。
 さて、識者やNHKなどの中には「国民はNHK受信料を高いと思っていない」とする方が多い。確かにそういった調査結果は存在するが、統計学的にこんなインチキな調査はない。
 NHKの受信料は、他の公共料金と違って、支払っていない人が相当数いる。まず、支払っていない人に「高いか安いか」と聞いても何の意味もない。そもそも、受信料の額自体も知らない可能性もあるし、払っていないのだから、高いという負担感もないはず。
 一方、支払っている人は、それなりに受信料水準に納得している人が多いはず。そうなると、「高いか」との問いには、NOと答える可能性が高い。
 
 電気料金であれば、ほぼ国民すべてが支払っているから、高いか安いかは、その支払っている方の負担感から答えが出るし、それなりの客観性もある。しかし、たとえばあるクルマの値段が高いか安いか、と聞くときに、そのクルマを買った人は、納得して購入しているのだから、「高い」と答える率は低くなる。また、そのクルマを持っていない人は、そもそも高い、安いに関心がない。
 NHK受信料は、残念ながら、電気料金とクルマの中間的な存在である。「国民はNHK受信料を高いと思っていない」というアンケート結果は、まともな統計学の知識がある人ならとても使えないものだ。なのに、この結果を援用されることが多いのは、本当に不思議でならない。