中国の防空識別圏を考える②完

いうまでもなく防空識別圏は領空ではなく、公海上空であり、基本的に自由航行権がある。また、日本の防空識別圏と重なる中国の防空識別圏を通過するに際して、日本の民間航空会社が事前報告を行えば、事実上、日本が中国の防空識別圏を認めたことにもなりかねない。だからこそ、日本政府は、日本航空や全日空に対して、事前報告を中国にたいして行わせないようにしているのである。

しかし、中国の防空識別圏の設定発表と同時に発表された公告によると、防空識別圏を飛行する航空機は、中国側の指示に従わなければならないとしており、従わなければ武力で防衛的緊急措置が取られることも書かれている。これは公海上空での武力行使を行うことを意味していて、国際法上許されるものではないが、書かれているという事実は事実である。

1983年の大韓航空機撃墜事件は、領空侵犯という緊急事態への対応の中で起きた不幸な事件である。現状は、石原代表が危惧するように、中国防空識別圏への日本の民間機の事前報告なき飛行は、国籍不明機と判定されても仕方がない状況での「侵入」という状況になっているということである。そしてそれは、国際ルールでの「スクランブル対象」どころではなく、「武力」行使の対象でもあるのである。

米国は、中国の防衛識別圏の設定を強く批判しながらも、連邦航空局FAAがユナイテッド航空やデルタ航空に対し、中国側の要求に従って飛行計画を通知するよう勧告し、事前報告を行っている。このことの真意については、いくつかの解釈がありえるが、私は、米国が、自国の民間航空機への万一のリスク回避のためにやむなく取った方策、とみるのが妥当ではないか、と考えている。

これはわが国にとって高度な外交マターである。いうまでもなく防空識別圏は領空ではなく、公海上空であり、基本的に自由航行権がある。また、日本の防空識別圏と重なる中国の防空識別圏を通過するに際して、日本の民間航空会社が事前報告を行えば、事実上、日本が中国の防空識別圏を認めたことにもなりかねない。だからこそ、日本政府は、日本航空や全日空に対して、事前報告を中国にたいして行わせないのである。

しかし、中国の防空識別圏の設定発表と同時に発表された公告によると、防空識別圏を飛行する航空機は、中国側の指示に従わなければならないとしており、従わなければ武力で防衛的緊急措置が取られることも書かれている。これは公海上空での武力行使を行うことを意味していて、国際法上許されるものではないが、書かれているという事実は事実である。

1983年の大韓航空機撃墜事件は、領空侵犯という緊急事態への対応の中で起きた不幸な事件である。現状は、石原代表が危惧するように、中国防空識別圏への日本の民間機の事前報告なき飛行は、国籍不明機と判定されても仕方がない状況での「侵入」という状況になっているということである。

米国は、中国の防空識別圏の設定を強く批判しながらも、連邦航空局FAAがユナイテッド航空やデルタ航空に対し、中国側の要求に従って飛行計画を通知するよう勧告し、事前報告を行っている。このことの真意については、いくつかの解釈がありえるが、私は、米国が、自国の民間航空機への万一のリスク回避のためにやむなく取った方策、とみるのが妥当ではないか、と考えている。

これはわが国にとって高度な外交マターである。対応は政府に任せるしかないが、少なくとも、中国の防空識別圏を事前報告なく飛行する日本の民間航空機が一定のリスクに晒されていることの認識は重要である。それを喚起した石原発言を私は評価している。個人的には、日台間の飛行機便を使う際だけは、日本の民間航空機は避けようと思っている。