AIIB(その2)

これが可能となったのは、ADBへの出資比率であり、日本、アメリカがともにトップの16%ほどを占めており、日米が合意すればADBのトップは事実上決まってしまう。

この国際金融機関の歴代トップを、一国の財務省のNO2が独占してきたというこの事実だけで、AIIBの成功の根拠が示されたことになろう。さらに、このADBが途上国のニーズを満たしてこなかったという、実態的な批判も強かった。融資の制約や油脂決定までの時間がかかることなどで、途上国のニーズを満たすものではなく、その改革も遅々として進んでこなかった。

こういったことを、如実に証明するのが、AIIBの成功の前に、ADBが融資決定の迅速化などの改革をあわてて行っていることである。

AIIBに対して、日本政府は「組織運営のガバナンスや透明性」を求めており、現段階では参加を表明していない。しかし、アジアの大半の国、さらに英・仏・独・伊などの主要国が参加を決めている(最終的には各国での批准が必要だが)ということは、「ガバナンス・透明性」に大きな問題はないと判断しているということだ。

今後、大きなインフラ整備の資金需要が生じるアジアで、トップを日本の財務省OBが独占し続けているようなADBだけではダメだという、世界の世論が、中国の高度な外交戦略を後押ししたと考えるべきである。(completed)