安保法制について(9月1日)

安全保障法制の議論が最終段階となった。まず、私は憲法9条については、改正する必要があるとの立場にある。その第一の理由は、自衛隊は9条2項の「戦力」にあたると考えるからである。

話題の砂川判決では、憲法9条2項の「戦力」とは、「わが国がその主体となってこれに指揮権、管理権を行使し得る戦力をいうもの」と、「結局わが国自体の戦力を指し」としている。アメリカ軍はこの「戦力」に該当しないので、日本に駐留していても、9条2項に違反しないとの趣旨である。

9条2項の戦力が「わが国自体の戦力」だとすれば、自衛隊は「戦力は、これを保持しない」に間違いなく抵触する。自衛隊の廃止がありえないとすれば、それを合憲とする憲法の改正が必要だとするのが、私の立場である。

「個別的自衛権はある」との政府の解釈は、司法による判断を受けたものではない。司法は、自衛権は認めるが、自衛隊については判断を下していない。自衛権を他国の軍隊=アメリカ軍に依存することを認めただけである。

憲法学者の多くが「集団的自衛権」は憲法違反だと言う。しかし、まずは自衛隊による個別的自衛権が、合憲か否かの判断を示すべきだ。最高裁は、米軍による自衛を認めているだけだ。

政府が集団的自衛権を砂川判決が認めているというのは、誤り。日本という国家が自衛をアメリカに頼むことを集団的自衛としているだけであって、自衛隊という戦力が、アメリカ軍と共同行動することを指していないからである。

憲法9条をもち、前文で平和主義を掲げることで、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」とあるが、戦後70年を経て、名誉ある地位にあるのかどうか。平和憲法をもち、世界第三の経済力を持つ日本こそ国連の安保理の常任理事国にふさわしいのではないか。

しかし、常任理事国入りのメドはまったくたっていない。常任理事国は、第二次世界大戦の戦勝国であり、核保有国である。さらに言えば、中国、ロシアは、中華民国、ソ連からその地位を引き継ぐ正当性はないのに、常任理事国の地位にある。これが国際社会の現実である。

イラン核開発の交渉国。常任理事国の米、英、仏、露、中に加えてドイツの6カ国。日本はなぜここに入れないのか。イランと強い経済関係を持ち、平和憲法をもち、なにより、唯一の被爆国。やはり、「国際社会において名誉ある地位」は占められていないと「思ふ」。