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塩川正十郎先生

2010年3月30日

 今から9年以上前の写真が見つかった。塩川正十郎先生とのショットで、どこで撮られたものか、とか、他の方もわからないが、多分学外だと思う。
 塩川先生は、いろいろな場で出会いがあったが、加藤寛先生の信頼が厚かったことが記憶に残っている。小泉純一郎内閣の組閣には、加藤寛先生が強く関わっていたが、民間からの入閣の竹中平蔵氏に対して「ともかく、何か困ったことがあったら、塩爺に相談するように」と話してある、とお話くださったのを忘れない。
 また、塩川先生とは、美術展やコンサートで何回もばったりと出会ったことも忘れられない。芸術に深い理解があり、4年に1回とかの本学オーケストラの第九演奏会@上野の東京文化会館にも、毎回顔を出してくださっていたそうだ。
 もう少しゆっくりお話を伺いたかったと残念に思っている。(それにしても、9年前の私、、若い。)
 
 

5Gと台風

 千葉県の携帯電話。基地局の停電で通話不能と。東日本大震災の経験(地震による基地局の倒壊等による不通は3割、残り7割は停電が原因)は、なぜ活かされなかったのか?

 携帯3社は、十分に儲けが出ているのに(これが一番わかっていたのは、総務大臣を経験したことのある(松原はその時の総務省参与)菅官房長官。「携帯料金を4割下げろ」、と)、なぜ基地局の停電対策に本気で取り組まなかったのか。

 基地局に、停電対策に燃料電池を設置するという計画もある程度は進んでいた。しかし、十二分に出ている儲けからすると、あまりに遅かった。その証拠がこの携帯大量不通事件。

 「東日本大震災の経験を活かし、今回、千葉県の停電にも基地局の機能は燃料電池などで維持されて、当社では携帯の不通は生じなかった」って会社がなぜ出なかったのか。

 心配なのは5G。「ミリ波帯」と呼ばれる26GHzの高周波数帯は、数百メートルしか電波が飛ばず、電柱に基地局を置くとか。停電の影響も受けるし、地震、台風での電柱倒壊とともに、携帯も不通、、、、
(twitter 2019年9月12日)

東電「数日で回復」はありえない対応

 公益事業を専門として、審議会等で、電力自由化などに関わってきた経験から。

 今回の2019年台風15号、電柱倒壊は2000本。関西を襲った2018年台風21号では1300本。電柱は、大雑把に市街地では風速20メートル/秒、それ以外で40メートルに耐えるように定められている。今回の台風は、千葉で50メートル超を記録。残念ながら電柱倒壊等の続出は避けられない。

 この分野を勉強してきたものとして信じられないのが、東京電力パワーグリッドの、「数日で回復」という発表。実際は20日ほど要するのに、これでどれだけの混乱が生じたか。

 東電の「台風の規模が今まで以上に大きかったことを考慮に入れず、過小な想定をしてしまった」は、公共的事業を担うものとしては、ありえない判断。

 台風、地震による停電は繰り返し起きており、その対応、対策は電力会社の最大の任務の一つ。直近で言えば、昨年12月に関西電力から、台風21号被害の検証報告が出されている。『「1300本の電柱が折損等」「220万戸が停電」「復旧に2周間以上」』と。https://kepco.co.jp/souhaiden/pr/2018/pdf/1213_1j_01.pdf

 この報告書を、東電は社内でどう学び、どう対策をたててきたのか。同様の報告書は、東日本大震災を含めて山ほど出されている。今回の台風の風速が、40メートルを大きく超えた段階で、被害規模も復旧期間(2週間以上)も想定できなかったはずがない。

 電気事業は、まさに私が関わってきたところであるが、独占から競争へ、電力会社も発送電分離が進んでいる。こういった状況の中で、私達はさまざまな電気会社を選択できるようになっており、電気料金も下がっている。この競争的な状況の中で、経済産業省は、電気事業者への公共的任務への監督をしっかり行うべきであった。それが十分だったのかどうかも、問われるところである。
(twitter 2019年9月15日 )

女性活躍インデックス(2)

 女性活躍インデックスを開発して、3年めを迎え、この3年間の変化をまとめました。登録企業数は、7441社が10546社と1.42倍に。また、インデックス値(女性活躍度)は、平均1.78が1.99と1.12倍。特筆すべきは、男性の育児休業取得率2.11倍。
 また、25業種の業種間格差は拡大。

http://satorum.net/wp/wp-content/uploads/2019/09/ee4b22dabb6ac3089f2046ae9b45e2b1.pdf
 

女性活躍インデックス(1)

 東洋大学では、2016年に男女共学100周年(私立総合大学初)を迎え、その記念事業の一つとして「女性活躍インデックス」を開発し、毎年、女性活躍企業ランキングを発表してきました。その3年目になるランキング2019を、9月3日(火)、片山さつき男女共同参画・女性活躍担当大臣を来賓として招いて、記者発表をしました。
 そこで、3年間の通期のトップ企業を顕彰しました。1位は株式会社ローソン、2位はイオンビッグ株式会社、3位は株式会社パナテックでした。東洋大学のホームページでは、対象となった1215社の全ランキングが公表されており、また「検索機能」で、会社名を入れることでその会社の順位がわかるようになっています。
 女子学生が、就職先を選ぶ際の参考に使う例もあるようで、月1000件ほどのアクセスがあります。以下、片山大臣の挨拶(抄)です。
「「女性の場合は仕事と生活の両立のニーズがあるので、合理的に仕事の時間を調整して自分の利便性があるところに集中できる」と述べ、女性活躍推進が企業の生産性向上を後押しし、長期的な成長につながると指摘した。

とてもきれいなピンク色のスーツ!

⇒ヤフーニュース

イールドカーブと米大統領選挙

一般に銀行の定期預金の金利は、1年のものより2年のものが高いというように、期間が伸びるほど、金利はあがる。グラフの縦軸に金利、横軸に期間(残存期間)を取れば、右上がりの曲線となる。これがイールドカーブである。

しかし、将来的に景気が悪化すると予想されると、その影響を受けにくい短期金利が変わらず、長期金利だけが低下していく。この場合、イールドカーブは、右下がり(期間が伸びるほど、金利が低くなる)となる。この右下がりの曲線を「逆イールド」と呼ぶ。

今、米英でこの「逆イールド」が生じている。景気悪化が予想され、それを受けて長期金利が低下したからである。この逆イールドは、今後の景気予測が、単なる予測にとどまらず市場の判断として客観的に「悪化」と数値で出てくるため、株価にも影響が出るくるのである。

今日2019年8月15日の東証株価、大きく値を下げることが予想される。

それにしても、今回の世界的な景気の悪化は、どうみても米中貿易戦争。仕掛けたのはトランプ大統領だが、大統領選挙には対中強硬路線を示すことのプラスと、景気悪化によるマイナスの影響が。さて、今後のトランプ大統領の戦術は?

令和に思う

2019年5月1日(令和元年5月1日)

T先生、

  令和は、予報よりは若干いい、曇りで始まりました。令和、いい響きでぼくは気に入っています。ぼくは、令和の発案者と言われている中西進氏のこの問い『・・「令(うるわ)しく平和に生きる日本人の原点です」というメッセージを送りましたね。なぜ、「平和」という2文字を選んだのですか。』に対する答えが印象に残っています。「終戦から約70年、日本人は自国の軍国化を何とか防ぎ、おかげで平和が保たれてきました。しかしいま、難しい局面が立ち現れています・・でもそこには決して越えてはいけない線、聖なる一線があるのだと僕は訴えたかったのです。軍国化をしてはいけないという一線です」(朝日新聞4月20日朝刊

    第二次世界対戦後、冷戦を経て民族対立、国際テロなどの多極的な国際対立が深まり、世界平和の維持は複雑な連立方程式の中でしか解けない状況になっています。そのために日本が果たす役割が何なのかが問われています。この役割の発揮なしには、令和時代の日本自身の平和も維持されないのではないでしょうか。

T先生、

  平和は、私たちの生活の安定を意味しているとすると、地震などの災害や、もしかすると激しく進む少子高齢化や人口減少も、平和を脅かすものかもしれません。振り返ってみると、過去には経済危機などの生活の不安定が引き起こした戦争も少なからずありました。

  昭和から平成への改元は、昭和天皇のご病状の報道とご薨去の中で行われました。平成から令和へは、平成天皇がご夫婦でお元気な中での改元であり、歴史の中で繰り返されてきた人心を新たにしてきた改元を彷彿させます。

  ここで思い起こすのが、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」という憲法の前文です。平和の維持には、恐怖だけではなく、欠乏からも免れることを必要とすることが明示されています。私たちは、世界平和維持のためには、国際関係の安定のために積極的な役割を果たすとともに、日本の、そして世界の経済の安定のための努力も惜しんではならない、ということだと思います。

T先生、

 令和への改元で、今、国民の心が一つにまとまりつつあるように見受けられます。この機会に、オリンピック、パラリンピックを直前に控え、これからの真の意味での平和の時代作りに、「国際社会において、名誉ある地位を占め」るための努力がもとめられているのでしょう。その時に、教育の果たす役割も大きいと思います。

   改元の朝に、つらつらと考えたことを書き留めてみました、、、

   連休の残り、ゆっくりとお過ごしください。

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『電子書籍アクセシビリティの研究』のアクセシビリティ

2017年1月に、松原聡編著『電子書籍アクセシビリティの研究』(東洋大学出版会)を公刊しました。
「この本自体が、電子書籍読み上げ機能の実験体です」
「出版段階から、一冊まるごと極力誤読を少なくして音声読み上げすることを前提に作られた初めての書籍です」(下記リンク参照)。
誤読ゼロへの実験

1月30日に開催された公刊記念シンポのようすは、こちら、、
公刊記念シンポジウム

旧3本の矢を思い返す

安倍政権は、サミットで金融緩和、財政出動、構造改革でとりまとめを狙っている。なんのことはない、これは旧3本の矢だ。金融緩和は、利上げをしたくて仕方ないアメリカを巻き込んでの合意は困難。とりわけ、アメリカは円安誘導となる日本の金融緩和を強く牽制している。
財政出動。これをG7でもっとも財政状況が悪い、日本が主張するのは皮肉な事態だ。金融緩和は、アメリカの牽制で、さらにすでにマイナス金利まで導入して打つ手がない状態だ。構造改革は、今の景気回復には即効性がない。残るのは財政出動しかない。
2020年のプライマリバランス黒字化の目標達成が、極めて難しくなった今、財政出動は野党の攻撃対象となる。それを、G7での合意を旗印に、切り出したいのだろう。財政赤字累増の中での、財政出動は危険な手だ。すくなくとも、そうとう大胆な歳出構造の見直しや構造改革とセットであるべきだ。
旧3本の矢の時に、「構造改革」の矢をしっかりと放っていれば、もう少し事態はマシだったのではないか。岩盤規制を打ち破る、との勇ましい言葉が先行して、明確な成果が見えないまま、抽象的な「新三本の矢」に移行してしまったのは、僕は失政だと思う。
日本経済は、3本の矢の「金融緩和」で回復したのは間違いない。野党が何を言おうが、「株価8000円、円80円。厳しい新卒採用。」といった状況を打ち破る経済政策を、政権を担っていた民主党は何一つ出せなかった。格差とか、インフレ2%が達成できないとかの批判は、説得力はない。
しかし、株価を回復させ円安に導いた「異次元の金融緩和」は、継続性のある政策でないことは,黒田総裁ご本人が一番翌承知していたはずだ。財政赤字で発行した国債を、市場から日銀がかき集め続けられるはずがない。早い段階で、国債増発に歯止めがかけられることが、「異次元緩和」の前提条件だった。
異次元の金融緩和は、銀行にお金を貸しやすくさせる政策だ。企業の側にお金を借りたいというニーズ、投資マインドがなければそもそも効果が出ない政策だ。その投資マインドに火がつけられないまま=笛吹けど(企業が)踊らず=では、いずれ行き詰まる政策だ。
国内外の企業が、日本での投資意欲が高められるような政策、目に見える大胆な構造改革が今こそ求められているのではないか。G7での財政出動合意を目指す前に、企業の投資マインドと国民の消費マインドが高まる政策を、わかりやすく国民に示すべきだ。今一度、旧3本の矢を振り返る時期かもしれない。

安保法制について(9月1日)

安全保障法制の議論が最終段階となった。まず、私は憲法9条については、改正する必要があるとの立場にある。その第一の理由は、自衛隊は9条2項の「戦力」にあたると考えるからである。

話題の砂川判決では、憲法9条2項の「戦力」とは、「わが国がその主体となってこれに指揮権、管理権を行使し得る戦力をいうもの」と、「結局わが国自体の戦力を指し」としている。アメリカ軍はこの「戦力」に該当しないので、日本に駐留していても、9条2項に違反しないとの趣旨である。

9条2項の戦力が「わが国自体の戦力」だとすれば、自衛隊は「戦力は、これを保持しない」に間違いなく抵触する。自衛隊の廃止がありえないとすれば、それを合憲とする憲法の改正が必要だとするのが、私の立場である。

「個別的自衛権はある」との政府の解釈は、司法による判断を受けたものではない。司法は、自衛権は認めるが、自衛隊については判断を下していない。自衛権を他国の軍隊=アメリカ軍に依存することを認めただけである。

憲法学者の多くが「集団的自衛権」は憲法違反だと言う。しかし、まずは自衛隊による個別的自衛権が、合憲か否かの判断を示すべきだ。最高裁は、米軍による自衛を認めているだけだ。

政府が集団的自衛権を砂川判決が認めているというのは、誤り。日本という国家が自衛をアメリカに頼むことを集団的自衛としているだけであって、自衛隊という戦力が、アメリカ軍と共同行動することを指していないからである。

憲法9条をもち、前文で平和主義を掲げることで、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」とあるが、戦後70年を経て、名誉ある地位にあるのかどうか。平和憲法をもち、世界第三の経済力を持つ日本こそ国連の安保理の常任理事国にふさわしいのではないか。

しかし、常任理事国入りのメドはまったくたっていない。常任理事国は、第二次世界大戦の戦勝国であり、核保有国である。さらに言えば、中国、ロシアは、中華民国、ソ連からその地位を引き継ぐ正当性はないのに、常任理事国の地位にある。これが国際社会の現実である。

イラン核開発の交渉国。常任理事国の米、英、仏、露、中に加えてドイツの6カ国。日本はなぜここに入れないのか。イランと強い経済関係を持ち、平和憲法をもち、なにより、唯一の被爆国。やはり、「国際社会において名誉ある地位」は占められていないと「思ふ」。