東電「数日で回復」はありえない対応

 公益事業を専門として、審議会等で、電力自由化などに関わってきた経験から。

 今回の2019年台風15号、電柱倒壊は2000本。関西を襲った2018年台風21号では1300本。電柱は、大雑把に市街地では風速20メートル/秒、それ以外で40メートルに耐えるように定められている。今回の台風は、千葉で50メートル超を記録。残念ながら電柱倒壊等の続出は避けられない。

 この分野を勉強してきたものとして信じられないのが、東京電力パワーグリッドの、「数日で回復」という発表。実際は20日ほど要するのに、これでどれだけの混乱が生じたか。

 東電の「台風の規模が今まで以上に大きかったことを考慮に入れず、過小な想定をしてしまった」は、公共的事業を担うものとしては、ありえない判断。

 台風、地震による停電は繰り返し起きており、その対応、対策は電力会社の最大の任務の一つ。直近で言えば、昨年12月に関西電力から、台風21号被害の検証報告が出されている。『「1300本の電柱が折損等」「220万戸が停電」「復旧に2周間以上」』と。https://kepco.co.jp/souhaiden/pr/2018/pdf/1213_1j_01.pdf

 この報告書を、東電は社内でどう学び、どう対策をたててきたのか。同様の報告書は、東日本大震災を含めて山ほど出されている。今回の台風の風速が、40メートルを大きく超えた段階で、被害規模も復旧期間(2週間以上)も想定できなかったはずがない。

 電気事業は、まさに私が関わってきたところであるが、独占から競争へ、電力会社も発送電分離が進んでいる。こういった状況の中で、私達はさまざまな電気会社を選択できるようになっており、電気料金も下がっている。この競争的な状況の中で、経済産業省は、電気事業者への公共的任務への監督をしっかり行うべきであった。それが十分だったのかどうかも、問われるところである。
(twitter 2019年9月15日 )